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広報誌「Fine」

特集 睡眠不足は病気や事故のもと

眠不足は病気や事故のもと

睡眠の問題には睡眠不足や夜勤などの交代勤務による「睡眠習慣」と、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの「睡眠障害」があり、どちらが悪化しても心身に悪影響が出てきます。




睡眠不足や不眠で生活習慣病に!?

睡眠が不足した状態が続くとホルモンバランスが崩れ、肥満・高血圧・糖尿病・循環器疾患(心臓病・脳卒中など)・メタボリックシンドロームなどの生活習慣病のリスクが高くなることがわかっています。慢性的な睡眠不足・不眠のある人は、睡眠が充足している人に比べて、糖尿病になるリスクが1.5から2倍と言われています。



不眠が続くと、うつ病にかかりやすい!?

不眠とうつ病は互いに影響しあう関係にあり、不眠の症状がある人は、うつ病にかかりやすい傾向があります。
うつ病に限らず、睡眠不足や不眠症状が続くと、日中の注意力や集中力が低下したり、頭痛や消化器系の不調などが現れ、活動意欲が低下し精神的な不調を来たす原因になることがわかっています。



眠れない、睡眠で疲れが取れないときはこころのSOSかも?

寝つきが悪くなった、熟睡感がない、早朝に目が覚めてしまう、疲れているのに眠れない・・・そんな変化や、活動や仕事に影響が出てきたときは要注意。ためらわずに医師や保健師・看護師など身近な専門家に相談しましょう。苦しみをわかってもらうだけでも気持ちが楽になったり、睡眠習慣や対処方法について助言を受けることで改善策を見つけたりすることができます。


睡眠不足は飲酒運転しているのと同じ!?

睡眠不足や睡眠障害があると、疲労感・集中力低下・眠気・意欲の減退などから、仕事などの作業能率が下がり、ミスや事故を招きやすくなります。働く世代では、勤務形態を考えながら、十分な睡眠を確保する必要があります。

自分では作業能率の低下に気づかないことも多く、注意が必要です。



あなたにとって適切な眠りとは…

日本の成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満の人がおよそ6割を占め、これが標準的な睡眠時間と考えられます。しかし、必要な睡眠時間には個人差があり、年齢や季節によっても変わってきます。
自分の睡眠が足りているかどうかは、朝起きたときの熟睡感、日中の眠気が目安になります。日中に支障をきたすことなく仕事や活動ができていれば、普段の睡眠は足りているとみてよいでしょう。

睡眠時間は加齢に伴って徐々に短縮



夜間の睡眠時間は、健康な人では20年ごとにおよそ30分の割合で減少していくことがわかっています。加齢による早寝早起きの傾向は男性のほうが強く出ると言われます。
一方で、年齢が高くなるほど睡眠時間は短くなるのに、寝床についている時間は長くなる傾向があるようです。必要以上に寝床についていると、かえって睡眠が浅くなり、夜中に目覚めやすくなり熟睡感が損なわれます。日中、目覚めて活動できているかを目安に適切な睡眠時間を見つけましょう。

若年世代は夜更かしに注意!

思春期を迎えた子どもは夜更かしをしがちですが、体内時計のズレが生じ、朝起きられなくなったり夜型の生活になったりしてしまいます。夜更かしをする子どもほど、心の健康不調や体重増加に関係することや、学業成績の低さにも関係することがわかっています。
また若年世代では、休日の起床時間が平日と比べて2~3時間ほど遅くなる傾向があります。平日の睡眠不足を取り戻そうとするためですが、睡眠リズムを狂わせ、逆に翌日の朝が起きられなくなります。
休日の「寝だめ」は睡眠不足を補うことにはなりません。毎日必要な睡眠時間を確保する睡眠リズムを心がけましょう!


体内時計しっかり回していますか?

“体内時計のリズムを狂わせない”… それが心身の健康への近道

体内時計は1日の眠りを作り出す自然のタイマーです。そのリズムは、約25時間周期で刻まれますが、1日24時間の生活では少しずつズレが生じます。また、不規則な生活により狂いやすいのも事実。ですから、私たちは体内時計を整える心がけが必要です。
体内時計を整える決め手は「朝の光」。24時間周期のリズムを覚えた体は、光でリセットされ、ここからまた一日のリズムを刻み始めます。



体内時計のメカニズム

昼間の「光」が夜の「眠り」を決める

体内時計がうまく回っていれば、私たちの体は毎日一定の時間帯に自然に眠くなるようになっています。「メラトニン」というホルモンが眠りを促すためです。メラトニンには、体温調節や眠りを促すリズム調整のほか、抗酸化作用により、病気の予防・老化防止にも効果があると言われています。
メラトニンは朝の光を浴び、夕方暗くなるとともに分泌され眠気を誘います。しかし、夜まで明るい光を浴びると、体温を低下させ眠りを誘うメラトニンの分泌は抑えられ、眠りにくくなり、体内時計が崩れる原因に…。昼間は光を取り入れ、夜は光を抑える。光をコントロールすれば、質のよい睡眠は作れるのです。


交代勤務や海外出張…体内時計は狂って当然!?

夜勤・交代勤務をしている方のための工夫

●夜勤前の午後2~4時に短い仮眠を取ってみましょう。夜勤中の疲労軽減や作業効率低下予防になります。
●明るい時間に帰宅する場合は眠りにつきやすいようサングラスなどで光を避け、眠る前に強い光を浴びないようにしましょう。また睡眠時間は適切な長さにし、眠り過ぎないことが体内時計を狂わさないコツです。
●勤務終了後はお腹が空きますね。しかし眠る前に多く食事をとると身体は消化に追われ、寝つきが悪くなり、眠りも浅くなります。起きた後の空腹時にしっかり食事をとることで、体内時計はリセットされます。眠る前の食事は控えめにしましょう。


海外出張の多い方のための工夫

海外で起きる「時差ぼけ」は体内時計と現地時間のズレで生じます。
“朝は決まった時間に起きる”“決まった時間に食事をとる”といった規則正しい行動が、体内時計を調整し、時差に対応しやすくしてくれます。
●飛行機内では現地時間に合わせて食事や睡眠をとり、過ごしてみましょう。
●早朝に到着した場合は眠らずに、明るい場所で朝食をとると体が目覚め、その日の活動をしっかり行えます。
●どうしても眠い場合は、2〜3時間の昼寝をして、夜になったらまた眠れるように睡眠時間を調整しましょう。


体内時計をしっかり回す1日の過ごし方



…とは言え毎日必ず規則正しく生活できるわけではありませんね。
体内時計のリズムとメカニズムを知り、できることから生活に取り入れて、健康な毎日を過ごしましょう!

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