特集 禁煙のススメ
たばこの煙の成分を知っていますか?
たばこの煙には、4000種類以上の化学物質が含まれており、そのうち200種類以上は有害物質です。また、発がん性物質はなんと60種類も含まれていることから、たばこは「毒物の缶詰」と言われるほどです。
たばこの有害物質と言われるものには、ゴキブリの殺虫剤の成分となっているニコチンや、イタイイタイ病の原因となったカドミウム、死体の防腐剤として使用されるホルマリンなど普段耳にしないような物質がたくさん含まれています。
たばこの影響 ❶ 喫煙者への害
たばこで肺がんになる、というのは皆さんご存知の通りですが、たばこを吸うことでそれ以外にも本当はもっとたくさんの影響があるのです。まずはたばこが与えるダメージについて正しく知っておきましょう。たばこの影響 ❷ 吸わない人にも 悪影響! 受動喫煙の害
たばこを吸わない人が、他人のたばこの煙(副流煙)を吸うことを受動喫煙と言います。たばこを吸う人がフィルターを通して吸う煙(主流煙)の方が体に悪いと思われがちですが、実は副流煙の方が何倍も有害物質を含んでいるため、毒性が強く、たばこを吸う人が近くにいれば嫌でもたばこの煙を吸わされていることになります。あなたの大切な人のために受動喫煙について知っておいてください。
妊婦と赤ちゃんへの害
赤ちゃんは、お母さんの胎盤を通して栄養を受け取りますが、妊婦自身が喫煙者の場合は以下のようなリスクが高くなります。
また、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息など明らかな理由もなく、寝ている間に突然死亡してしまう乳幼児突然死症候群(SIDS)になるリスクは、非喫煙者の家庭と比べると約4.7倍にも!大切な赤ちゃんを守るためには、パートナーや家族の協力が必要不可欠と言えます。
子どもへの害
子どもの事故の上位に誤飲事故が挙げられますが、誤飲する物質の1位はたばこです。たばこ1/2~1本は、子どもにとっては致死量と言えるほど有害です。
また、たばこの煙が消えた後も部屋の中のカーテンやソファー、衣類などに有害物質がしみこんでおり、近年ではそれらを吸い込むことによって健康被害を受ける「サ―ドハンド・スモーク」も注目されています。定期的に換気をする、カーテンや布製品はこまめに洗濯するなどできる限り対策を取りましょう。
もっと知ろう! たばこを吸っては いけない理由!
軽いたばこなら大丈夫?
マイルドやライトといったたばこでも、たばこ1本の有害物質の含有量と体への害は同じ。実際はフィルターの穴の数が多くなっているだけで、ニコチン依存の程度に応じて必要なニコチン量を吸収しようとするため、かえって根元まで深く吸ってしまったり、本数が増えることにつながります。
換気扇の下など目の前で吸わなければ問題ない?
換気扇を回しながら料理をしていても、カレーの匂いが部屋中に充満したことはありませんか。換気扇下でたばこを吸っても煙や匂いの一部は取りきれていません。実際、非喫煙者の家庭の子どもと比べて喫煙者の子どもの尿からは3倍以上のコチニン(ニコチンの代謝物質)が検出されています。
生活習慣病にかかりやすいって本当?
たばこは生活習慣病の最大の危険因子です。たばこに含まれる有害物質が動脈硬化と糖・代謝異常を加速させるため、メタボリックシンドロームを発症するリスクが高くなります。そのため、喫煙していると痩せにくいのも事実。メタボから抜け出すためには、まずは禁煙から始めることが近道です。
実感してほしい… 禁煙によるうれしい変化
「今さらやめても…」と禁煙することをあきらめている人はいませんか。そんな方でも、最後のたばこをやめたその瞬間からあなたの体には確実に禁煙効果が現れます。その効果は、禁煙した期間に比例してその後何十年後も続きます。禁煙するなら早いに越したことはありませんが、決して手遅れということはないのです!失うものは何もない、禁煙を始めよう!
禁煙する気持ちが固まったら、目標を設定し禁煙宣言をしましょう。周囲のサポートが得られる環境が整えば禁煙生活のスタートです。自分にあった方法でさっそく始めてみましょう。
禁煙達成までの対処法 禁断症状を乗り越えよう!
体内のニコチンが切れるとたばこを吸いたい衝動にかられます。禁煙を始めてから、体内からニコチンが抜ける3日間がもっとも辛くなる時期と言われていますが、そのピークを乗り越えれば吸いたい気持ちも次第に落ち着いてきます。自分で対処方法を持っておくことが大切です!
たばこをやめると得られるものはたくさんあります。
あなたと周囲の人たちが健康な毎日を過ごせるよう、たばこのない生活をスタートさせましょう !